2016.07.15

国立公園のルールについて
×実はこんな事をしたらNGです×

富士山日記第44号(執筆者 環境省 箱根自然環境事務所 宍戸)

富士山と富士山周辺は昭和11年(1936年)に国立公園に指定され、今年で指定80周年を迎えました。
国立公園では、自然公園法という法律によって、優れた風景地を守るために色々な行為に規制がかかっています。特に富士山五合目以上は特別保護地区という特に規制が厳しいところとなっています。

 つい、うっかりやってしまう行為であっても、富士山では法律違反になってしまうことがあります。

 そんな、NG行為についてまとめました。

 

動植物の採取

富士山の五合目以上では、亜高山帯~高山帯になりますので、背の高い樹木がなくなり、植物の種類と数も少なくなってきます。そんな中で時折、健気に咲いている花を見ると、登山の疲れの中でも心が癒されますね。そんな厳しい環境でがんばっている植物の姿は、記憶だけに留めて、採取は行わないようにしましょう。また同様に、昆虫の採集もやめましょう。

溶岩や石の持ち出し

富士山に登った記念に溶岩を持って帰ろうという方は意外と多くいます。これも法律で規制されています。各個人が「石ころ一つ位ならいいだろう」という気持ちでも、毎年、何十万人の登山者が来る富士山ですので、みんながやると大変なことになってしまいます。また、石を並べて文字をつくったり、積み上げたりする行為もやめましょう。

テント設営やたき火    

富士山頂でテントを張って、日本一高いところからロマンチックに星を見る...なんてことを想像している方はいませんか?各ルートに山小屋が多数ありますので、宿泊はテントではなく、山小屋でお願いします。
また、たき火も行わないようにしてください。

落書き

旅の恥はかき捨て、と言いますが、落書きのあとはずっと残ります。建造物にはもちろんのこと、岩や石に落書きすることも規制されています。

ペット等の放し飼い

特別保護地区内で動物を放すのもNGです。
また富士山の登山道は火山砂利のため、ペットとともに登山すると、ペットの足にダメージを与える可能性がありますので、なるべくペットを連れてくることは控えましょう。

 

また法律では禁止されていませんが、マナーとして注意していただきたい行為もあります。

・バーナーやコンロの使用は禁止されていませんが、火災を起こすおそれがあるため、山小屋周辺や人ごみを避け、周囲に注意して使用するようにしましょう。

・富士山でゴミを拾いながら歩くと色々な種類のゴミがあることに気が付きます。食べ物の包み紙、壊れた傘、尿が入ったペットボトルなど…。これらは置いて行ったからといって消えてなくなるわけではありませんので、出したゴミは責任を持って持ち帰りましょう。

・登山道を外れて歩くと貴重な生態系に影響を及ぼすため、登山道以外は歩かないようお願いします。また登山道を外れて歩くと落石を起こす危険性もあります。渋滞をしているからと言って、道を外れることはやめましょう。

 

世界遺産にも指定された美しい富士山の姿を後世まで残すよう、また全ての登山者が気持ちよく登山ができるよう、皆様のご協力をお願いいたします!