2016.08.09

現場のレンジャー・アクティブレンジャーが
教える快適登山の極意②
「小さなお子さんとの登山のポイント」

富士山日記第47号(執筆者 環境省 富士五湖自然保護官事務所 小西)

学校が夏休みになり富士山でも親子連れでの登山をよく見かけるようになりました。大人でも決して簡単ではない日本一高い富士山。子供にとっては大チャレンジです。

小さい頃の体験は今後に与える影響も大きいと思います。ツライ体験で山や自然が嫌いになってしまわないように、お子さんにとって忘れがたい素晴らしい体験にするためのポイントをお伝えします。

5つのポイント

  • 余裕のあるプランニング
  • 充分な準備・装備
  • 自分で考え・行動させる
  • 飽きさせない工夫
  • 無理をしない

余裕のあるプランニング

コースタイムとしては大人の1.5倍程度を目安にしましょう。日帰り登山など無理なプランニングは、高山病になる確率も高くなりますし、時間に追われてせっかくの景色や足元にある珍しい高山植物を楽しむチャンスを逃してしまいます。また、予想外のハプニングがあるかもしれません。

時間には充分に余裕を持ちましょう。

また子供は大人より高度の影響を受けやすいという話を聞いたことがあります。3,000m以上の山小屋での宿泊は避けた方がいいかもしれません。

充分な準備・装備  

鬼ヶ岳からの富士山と西湖

ぶっつけ本番で富士山に登ることは避けましょう。子供の体力・山での適性を見るためにも事前に予行登山をすることは重要です。富士山には滑りやすい砂礫地やゴツゴツした岩場もありますので、同じような特徴の山を選ぶといいですね。岩場が苦手な子、下りが得意な子、色々いると思います。そういった点があらかじめ分かっていれば、ルートを選ぶ際や時間配分をする時にも役立ちます。

富士山が見える山を選べば「今度はあそこに登ろう!」とお子さんのモチベーションアップにもつながりますね!

装備に関しても大人と同様に充分な装備が必須です。きちんとした装備があればそれだけ安全・快適に登ることができます。どんどんと成長するお子さんの装備を一式買い揃えるのはなかなか大変です。最近は登山用品のレンタルショップも増えていますので、そういった所を活用するといいかもしれません。

自分で考え・行動させる

山では色々な注意事項があります。こまめな水分補給や体温調整はとても重要ですが、その都度親御さんから手取り足取り指示をされていては、お子さんもきっと楽しくありません。

まず初めに「30分毎に休憩して水を飲もうね」、「暑かったら脱ごうね」、「登山は登り優先だよ」等とポイントを伝えてあげると、お子さんが自分で考えて行動でき自主的な登山になり楽しめると思います。

そう言った意味で、あまり小さいうちの登山は控えた方がよいでしょう。

飽きさせない工夫

平日のみ吉田ルートの山小屋で実施しているスタンプラリー

富士登山は長丁場です。ただひたすら登るだけでなく飽きさせない工夫も重要です。カメラを持たせてあげて景色や植物を撮ったり、どこの景色が見えているか地図と見比べながら登ったり。山小屋の焼印集めも楽しいですね。山小屋で遊ぶグッズも何かあるといいでしょう。また、好きなお菓子もあれば登山中に元気がでると思います。

また、夜間登山は何も見えずお子さんが飽きてしまう可能性があります。眠い中登るのは子供にとっては大変ですし、落石等の危険が日中より高くなります。しっかり睡眠を摂って山小屋で日の出を見てから山頂を目指すことをおすすめします。

無理をしない

親御さんは是非「登りたい」「登らせたい」と思うかもしれません。でも、無理は禁物です。富士山が簡単な山ではないことを常に頭に入れて、体力不足・体調不良・悪天候など心配なことがあれば、登山中止の判断をすることも大人の大切な役目です。

富士山は逃げません。「またチャレンジしようね」と言って安全に下山し帰宅することを第一に登山をしてください。

その他の注意点

一緒に行動する!

時々、元気なお子さんだけが先行して登っているのを見かけます。迷子になってしまう危険性もありますし、早く登ると高山病にかかるリスクがぐっと高くなります。親御さんが一緒に行動しスピードをコントロールしてあげてください。

ポケモンGO

歩きながらのスマートフォンの利用はとても危険です。また、登山道を外れたりすることのないよう注意してください。

 

また、下記の記事でも「快適な登山のコツ」をお伝えしていますので、参考にしてくださいね。

富士登山が夏休みの素敵な思い出になることを願っています!