小富士遊歩道~富士山麓の古道
富士山日記第126号(執筆者 環境省 沼津管理官事務所 アクティブレンジャー 渡邊智矢)
こんにちは。環境省アクティブレンジャーの渡邊です。
今回は富士山周辺のちょっと趣向を変えた楽しみ方を紹介したいと思います。
かつての富士山信仰修練の場
須走口五合目入り口手前を右に行くと小富士遊歩道の道標がありそこから小富士まで樹林帯が続きます。
ここはかつて富士山信仰(冨士講)の修練の場だったそうです。
小富士までの続く樹林帯は当時の雰囲気がそのまま伝わってきそうな神秘的で荘厳な景色が続きます。
神秘的で想像を駆り立てられる樹林帯
樹林帯の遊歩道は様々な想像力を駆り立てられます。
神秘的な樹林帯をしばらく進むと目の前には大きな2匹のカエルが迎えてくれます。須走インフォメーションセンターの案内には「亀岩(カエル岩)」として紹介されています。
亀なのかカエルなのか想像しながらしばらく眺めるのもいいですね。
そしてその近傍にはハートの切り株があります。自然が偶然作り出すキュートな彫刻です。
パワースポットから仰ぐ富士山
小富士山頂の近くには富士講碑がたたずんでいます。
先達と呼ばれる富士講のリーダー的な立場にあった人たちがその回数を刻んだものを建立したそうです。「三十三回」なのか「さんど、さんど(毎回)」なのかいずれにしても何度も繰り返す修練の厳しさが伝わってきます。また、小富士山頂にある祠はパワースポットとされています。
この日は残念ながら、富士山を仰ぐことは出来ませんでしたが天気が良ければここから雄大な富士山を仰ぐことができます。須走口五合目から往復一時間程度のコースですが、神秘的な樹林帯と小富士からの富士山を仰ぎながら太古から続く古道に想像を膨らませるのはいかがでしょうか?
須走口五合目から小富士までのコースはふじあざみライン冬期閉鎖まで行くことができます。(例年は11月中旬ですが積雪や気候により早まる場合がありますので必ずご確認の上、ご出発ください。)