2023.07.10
富士登山のルールとマナー
富士山と山麓の大部分は、富士箱根伊豆国立公園(昭和11年)、世界文化遺産(平成25年)、特別名勝(昭和27年)及び史跡(平成23年)に指定されています。
また、溶岩洞穴や溶岩樹型などの天然記念物や多くの史跡もあります。このような貴重な自然や歴史的資源を大切にすることが重要です。
特に、五合目より上は国立公園特別保護地区に指定され、自然保護のため厳しい規制がかけられています。
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富士箱根伊豆国立公園の詳細についてはこちらへ
- 法律で禁止されている行為
- 登山のマナー
- 富士山憲章
法律で禁止されている行為
国立公園特別保護地区内及び特別名勝指定区域では、登山者に関わる行為として下記が禁止されています。(自然公園法第21条第3項、文化財保護法)
違反した場合、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金等の罰則を科せられる場合があります。
動植物の採取禁止
- 花や実を採ったり、昆虫採集などもできません。
- 登山道を外れて歩くと貴重な生態系に影響を及ぼすため、登山道以外は歩かないようお願いします。
溶岩や石の持ち出し禁止
- 小石を持ち帰ることはもちろんのこと、移動も禁止です。
落書きの禁止
- 建造物はもちろんのこと、岩・石への落書きも禁止です。
テント設営やたき火の禁止
- 富士山にはテントサイトがありません。宿泊は、山小屋でお願いします。
- たき火は禁止されています。
- バーナーやコンロは、火災を起こすおそれがあるため、山小屋周辺や人ごみを避け、周囲に注意して使用するようにしましょう。
ペット等の放し飼い禁止
- 特別保護地区内では、動物を放すことが禁じられています。
- 山小屋内にペットを入れることやペット連れの登山は、原則としてご遠慮ください。
- 富士山の登山道は火山砂利のため、ペットとともに登山するとペットの足にダメージを与える可能性があります。
登山のマナー
富士山では、利用のルールとして「富士山カントリーコード」を定めています。
富士山カントリーコード
- 美しい富士山を後世に引き継ぐ
- 車道外へ車両などを乗り入れない
- 駐車場ではアイドリングをしない
- 動植物を採らない
ゴミは絶対捨てずに、すべて持ち帰る
登山道を外れて歩かない
溶岩樹型等の特殊地形を壊さない
ゴミになるものを最初から持っていかない
登頂記念の落書きをしない
トイレなどの公共施設をきれいに使う
その他のマナー
富士山カントリーコードで示されたルール以外に、下記の登山マナーの遵守をお願いします。
登山道は登りが優先
- 富士宮ルートの全線、御殿場ルートの上部は、登山道と下山道が同一となっています。狭い登山道では原則として登りを優先し、互いに譲り合いにご協力ください。
- 登山道ですれ違う場合には、「こんにちは!」「ありがとう!」と声を掛け合いましょう。そうすることで、同行している人の体調確認もできます。
無理な追い越しはしない
- 混雑するシーズンには、山頂直下で登山道が渋滞する場合があります。先を急いで無理に追い越そうとすると登山道をはずれ、特に夜間は転倒や落石の原因ともなるため大変危険です。無理な追い越しはしないようにしましょう。
誘導ロープに触れない
- 登山道には、登山者が道に迷わないよう誘導ロープを設置しています。誘導ロープが緩んだり、ロープ支柱が倒れたりすると、登山道を外れ、危険箇所への進入や遭難の原因になるため、誘導ロープに触れないでください。
落石を起こさない。落石を起こしたら大声でまわりに知らせる
- 登山道の端を歩くと、小石が落下しやすくなります。できるだけ、登山道の内側(山側)を歩くようにしましょう。
- 自分が落石を起こしてしまった場合には、いち早く、周囲の人に大声で「落石!」を叫んで知らせてください。
- また、落石危険箇所(落石注意の看板のある箇所)では休憩しないようにしましょう。
ケガ人や助けを求めている人がいたら、救助に協力する
- 緊急の場合には、互いに助け合うことが大事です。山小屋への連絡や応急措置など、協力しあうことで大事に至らずに済むこともあります。
ストックの先端にはキャップを
- キャップをはずして使用すると、登山道を痛め、崩落にもつながります。
- また、富士山の登山道は混雑しているため、尖った先端が周囲の人への凶器になる可能性があります。
小屋前の休憩は静かに
- 夜間の小屋の中では、睡眠を取って休んでいる人が大勢います。小屋前での休憩は騒がないようにしましょう。
鳥獣の巣を見ても近づかない
- 鳥獣保護区内では鳥獣の生息、繁殖に影響を与えないよう、巣を見つけても近づかないようにしましょう。
外来植物は持ち込まない
- 他地域に生育する植物が富士山に持ち込まれると、富士山の特異な生態系に影響を及ぼすおそれがあります。
- 登山靴や衣服には他地域の植物の種子が付着している場合があるため、登山前にはブラシ等で除去するなど持ち込まないよう気をつけましょう。
ドローンを飛ばしたり、パラグライダーで飛んだりしない
- 富士山山頂や登山道において、ドローンやパラグライダーの使用は、控えてくださるようお願いいたします。
- 富士山上空では複雑で激しい気流の乱れが生じるため墜落の危険があり、使用者だけでなく、他の登山者の命に関わる重大事故を引き起こす可能性があります。
富士山憲章
富士山では、環境保全を目的として「富士山憲章」を制定しています。
- 富士山の自然を学び、親しみ、豊かな恵みに感謝しよう
- 富士山の美しい自然を大切に守り、豊かな文化を育もう
- 富士山の自然環境への負荷を減らし、人との共生を図ろう
- 富士山の環境保全のために、一人ひとりが積極的に行動しよう
- 富士山の自然、景観、歴史・文化を後世に末長く継承しよう