開山期の富士山を振り返って(1)
富士山日記第131号(執筆者 環境省 富士五湖管理官事務所 アクティブレンジャー 半田尚人)
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10月23日に今年の初冠雪となって早1ヶ月。富士北麓もすっかり晩秋となり、今年も残すところ1ヶ月ちょっととなりました。時が経つのは本当に早いですね。この時季、秋の澄んだ空気の中、近くの低山にハイキングに出掛け、富士山を眺めながら歩くのがとても気持ち良いです。
今年、富士山に登った方、来年こそは登ろうと決意に燃えている方、「富士山は見るもの」と心に決めている方、様々いらっしゃるかと思いますが、せっかくですので、ここで夏の開山期を写真とともに全3回に分けて振り返ってみたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。
開山 ~安全を祈念して~
6月30日。開山前夜祭として富士吉田市で行われた富士講パレードに参列し、北口本宮冨士浅間神社にて茅の輪くぐりをしました。その後、手力男命(たぢからおのみこと)によって綱が断たれ、今夏の富士登山シーズンが幕を開けました。
翌7月1日には冨士太々神楽(ふじだいだいかぐら)の舞が奉納され、富士山に登る人、富士山で働く人、すべての方の安全を祈念しました。あらためて身が引き締まる思いでした。
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入山規制でどう変わった?
昨夏より入山規制が始まり、今年は入山料(4千円)とゲート閉鎖時刻14時が山梨・静岡両県で統一され、入山規制が本格化しました。これにより、弾丸登山は激減したとニュースでは報じられています。左下の写真は最も富士山が混み合う、お盆時期のとある小屋前の様子。この時期以外は弾丸登山者がほぼゼロに近い状態でしたが、お盆の時期は多くの企業・学校がお休みになることもあって、国内外からの多くの登山者が富士山を目指し、弾丸登山が発生していました。
弾丸登山は低体温症や高山病になるリスクが高いことから、登山者の安全のために夜間の入山を規制していますが、規制の真意がまだ十分には伝わっていないようです。実際、この日の弾丸登山者も寒さに凍えていました。
規制以前のカオスな状態から考えれば、格段に状況は改善されているものの、まだ課題はあるようです。
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右上の写真は、7月下旬の週末、富士山頂で御来光を待つ人々です。登山規制により山頂の混雑は大幅に緩和されましたが、やはり御来光という決まった時間を目指して皆が登るため、どうしても御来光渋滞は発生するし、山頂での混雑もあります。ただ、以前に比べたらマナーと秩序は格段に守られるようになったと思います。
登山規制により大きく変わった富士登山。これからも改善を進め、皆が安全に気持ちよく富士登山を楽しめるようになれたらと願っています。
いかがでしたか?
さて、次回は今年、富士山で出逢った動植物についてご紹介したいと思います。
お楽しみに!!


